2015年 5月21日
ボトル内製化に対応した、チルド流通向けの新型ペットボトル飲料成形充填システムを開発
このたび四国化工機は、ブロー成形機とペットボトル充填機を一体化した新型のチルド流通向け「ペットボトル飲料成形充填システム」を開発し、市場へ投入しました。当社は、これまでにもペットボトル充填機の納入実績はありますが、容器成形から充填・キャッピングまでの一貫したシステムを手掛けるのは初めてとなります。
また、本システムを開発するとともに、関連する資材の調達や、オリジナル容器の設計など、包装資材の供給体制も整えました。
これらにより、ペットボトル飲料製造のすべてを総合的にサポートし、市場ニーズを斬新なアイデアで具体化させることが可能になりました。
■システムの概要
本システムでは、プリフォーム(半製品ボトル)を加熱して空気で膨らませてボトルに仕上げる「ブロー成形部」、ボトルを洗浄する「洗浄部」、飲料を充填してキャップする「充填・キャッピング部」など、個々に分かれたブロックを一つの機械に集約し、それぞれのブロックが同期した動きをするシンクロブロックシステムを採用しています。
また、容器搬送には、ボトルネック部を掴んでボトル同士が接触しないネック搬送方式を採用しています。
■能力
生産能力:1時間あたり最大で24,000本
対応する容器サイズ:100ml~1000ml
■特長
1)輸送・保管コストの低減
ペットボトル飲料を製造する場合、飲料メーカーは容器メーカーから成形済のペットボトルを仕入れています。そのため、容器の輸送コストがかさみ、保管場所も広く確保する必要がありました。
本システムを導入することにより、飲料メーカーは自社工場内においてペットボトルの内製化が可能となるため、仕入れは約7分の1サイズ程度のプリフォームで済み、従来と比べて輸送コストや保管スペースを大幅に低減できます。また、成形済のペットボトルを仕入れるタイムラグや在庫がないため、急な需要量の変化や形状・容量の変更にも柔軟に対応できるようになります。
更なるコスト低減をお考えのお客様には、プリフォーム成形機の供給も可能です。
本システムに加え、プリフォーム成形機を導入すれば、「レジン ⇒ プリフォーム ⇒ ペットボトル 」まで内製化できます。レジンはプリフォームの原料で、米粒サイズのチップ形状のため、輸送・保管方法が更に容易になります。
2)容器の軽量化
ネック搬送方式の採用により、搬送中にボトル同士が接触せず、相互干渉が無いことから、強度(厚みや硬さ)を下げることが可能となり、軽量化によるコストダウンを実現できます。
3)包装資材の供給
当社の包装資材事業より、プリフォーム、キャップ、ラベル等、システムに関連する資材の供給が可能です。
オリジナルの広口ボトルやキャップを揃えていると共に、お客様オリジナルのプリフォームやペットボトルにも個別対応が可能で、お客様からの幅広いニーズにお応えすることができます。
■今後の展開
ペットボトルは、清涼飲料業界で約7割を占める主要なパッケージ形態であり、その他のパッケージ形態からの置き換えが今後も進むとみられることから、既存のペットボトル飲料メーカーをはじめ、新規にペットボトルでの商品開発を進めるお客様に対しても積極的に販促を行い、市場獲得を目指していきたいと考えています。
■展示会のご案内
東京ビッグサイトで2015年6月9日から12日に開催される「FOOMA JAPAN 2015 国際食品工業展(一般社団法人日本食品機械工業会主催)」に、本システムのデモンストレーション機を出展します。