2021年 4月 1日
カップ用無菌充填機「ULAシリーズ」新型機、中国・アジア向けに開発
~ 約30%コストダウン、生産能力は2倍にアップ ~
四国化工機株式会社は、中国・東南アジア市場をメインターゲットに開発したカップ用無菌充填機「ULAシリーズ」の新型機ULA-320及び ULA-400の2機種を開発し、2021年2月に開催された2021東京国際包装展へ出展しました。出展と同時に新たに開設した「バーチャル工場見学サイト」を活用し、営業活動を本格化させてまいります。
「ULAシリーズ」はカップ入りドリンクやデザート商品を完全無菌で生産することができ、常温環境において食品の保存期間を6~8か月に延長できる高衛生レベルの充填機シリーズです。容器内面・充填機内の重要管理エリアを滅菌し、洗浄・殺菌も自動で行えるため、無菌性を確実に維持できる充填機となっています。
新しいULA機の特徴は、従来シリーズと比べて生産能力を2倍に伸ばしながら、仕様の最適化を行うことでコストを約30%削減できた点です。
ULA-320及び ULA-400は、充填ノズル数と容器を支えるホルダープレートの列数(穴の数)の違いで容器口径サイズの違いに対応していますが、2機種ともベース機は同じ機構や機幅、部品等の多くを共通仕様とするプラットフォーム化することでコストダウンを可能にしました。また容器の高さも70mmの範囲で兼用可能となっています。
ULAシリーズで生産する事ができるカップ入りドリンクやデザート商品の多くは、通常のカップ用充填機でも生産できますが、品質を維持するため冷蔵で流通する必要があります。それらの賞味期限はおおよそ2週間以内であることが多いです。生産や流通(販売)側の立場では、より賞味期限が長い方が取り扱い易くあり、さらに、常温品として運ぶことができれば、配送コストの低減や保管時に冷蔵管理を必要としないメリットがあります。
ULAシリーズの無菌充填はこれらの要求を、食品本来のおいしさ(風味・栄養・色調)を損なうことなく満たすことのできる技術であり、賞味期限の長期化によって廃棄ロスを低減することができます。これらのメリットより、販売ターゲットとしては、食品の安全性と高品質を求めるユーザーだけでなく、冷蔵流通網が発展していない市場においても需要があると予測しています。特に、アジア市場など、日系コンビニエンスストアが多く進出している地域では、過去に日本でカップ入りコーヒー飲料が急速に普及したのをなぞるように、コンビニの拡大とともに需要が増える可能性が高いと考えています。また、世界中で新型コロナウイルスが流行し外出が控えられるなか、新鮮かつ賞味期間が長いアセプティック商品は、今後主流になる可能性が高いと思われます。
これまでのULAシリーズの販売実績は、日本や韓国のように、冷蔵流通網が整ったうえで付加価値として賞味期限を長くしたいユーザーが中心でしたが、今後の販売戦略としては、中国や東南アジアなどの常温流通がメリットとなる海外ユーザーへの販売に注力してまいります。
以上