2021年 8月18日
阿南食品工場の新棟竣工、AIを用いた豆腐の自動検品システムを導入
豆腐の生産においてスマートファクトリー化を推進
~ AIを用いた豆腐の自動検品は業界初 ~
このたび、既存工場(阿南食品工場;徳島県阿南市)の隣接地に建設していた豆腐の新生産棟が完成し、7月12日に竣工式を行いました。2月より一部生産ラインの操業を開始し、周辺設備がすべて完成し7月から本格稼働しています。
新棟では、「さとの雪」ブランドの木綿豆腐と無菌紙パックとうふを生産しており、いずれの生産設備も自社で開発した高能力な新型機に一新し生産能力を増強しました。また、豆腐業界では初めてとなるAIを用いた豆腐の自動検品が可能なAIラインピッキングシステムや、複数のロボット装置、無人搬送フォークリフト(AGF)、新棟内における全ての機器の状況が一元管理できるIoTなどを導入し、スマートファクトリー化を進めております。これらの設備等は、美味しさや品質を担保する為のものであり、これまで以上に付加価値の高い安全安心な豆腐を製造することが可能となります。
四国化工機は、これらの設備によって、お客様からの信頼にお応えすると共に、他社には製造できない差別化された独自の豆腐をお客様にお届けしていきます。
工場概要
新棟は鉄骨3階建で延べ床面積は5,973.81平方メートル。1階に木綿豆腐製造ライン、3階に無菌の紙パックとうふ製造ラインを設置しています。1~2階は吹き抜けとなっており、2階の見学通路から1階の生産フロアを見渡すことが可能です。なお、1階、3階ともに、将来的な製造ライン拡張に対応できるスペースを確保しています。
既存工場での生産も継続することから、両工場をドッキングする連結通路を設け、新棟では生産品の入出庫や資材の供給を効率的に行える無人搬送フォークリフトを導入しました。
所在地 |
徳島県阿南市山口町大久保48‐1 |
延べ床面積 |
新棟:鉄骨造3階建 5973.81㎡、接続棟188.05㎡ |
敷地面積 |
1万3409㎡ |
稼働開始 |
2021年2月8日一部操業開始、2021年7月より本格稼動 |
竣工式 |
2021年7月12日 |
投資額 |
約50億円強 |
新棟での生産品目 |
木綿豆腐(冷蔵)、紙パックとうふ(冷蔵、常温保存) |
◆AIラインピッキングシステム「STI-ALPS」(エスティーアイアルプス)について
豆腐業界では初めてとなるAI(人工知能)技術を用いて割れや欠けのある豆腐を自動判定し検品できるAIラインピッキングシステム「STI-ALPS」を開発し導入しました。
これまでにも機械による画像検査装置を導入したことがありましたが、良品・不良品を判定する項目すべてをルール化し設定する必要があり、豆腐の割れ目やくぼみ、欠けの大きさ・数・深さといった決まりのない形を設定し判別するのは非常に困難で、人間の認識能力を超えられずに目視検査に戻した経緯があります。
このたびのAIラインピッキングシステムは、日本アイ・ビー・エム株式会社から導入したDX推進ソリューション及びAI専用サーバーを用いて自社で開発しました。大量の画像データをAIに読み込ませて学習(ディープラーニング)させることで、良品・不良品を判定する“特徴”をつかみ学習モデルを生成、その学習モデルを用いて自動的に検品します。カメラも複数用意し、上面・側面・底面だけでなく、分割パックの内側にくる面もすべてを検査できるように工夫しました。これらにより、AIで画像判定ができるようになったため、検品作業を自動化することが可能となりました。
また、不良品を排除し、良品を箱詰めして冷蔵倉庫へ移動させる作業も、ロボット装置や無人搬送のフォークリフトを導入し、AIラインピッキングシステムと連動させて省人化を実現しました。
これら自動化・省人化技術により、これまで人が目視や手動で行っていた負荷の高い作業を代替することができ、速度や精度向上、品質の安定化、技能継承不要、労務費削減などを同時に実現できました。
四国化工機は、大豆加工食品を取り扱う食品事業と共に、食品用充填機を取り扱う機械事業、食品用パッケージを取り扱う包装資材事業を展開し、これら三事業による相乗効果の発揮を最大の特長としています。今後は、新棟の稼動によって得られる自動化や省人化のノウハウを蓄積し、機械事業の新たなエンジニアリング技術として確立していきます。働き方改革への対応や労働力不足が課題となっている中、これらの課題解決に寄与できる新たなエンジニアリング技術によって、機械事業の新たなマーケット創出につなげていく計画です。
以上
日本アイ・ビー・エム株式会社様からのリリースは下記をご参照ください。
日本IBM、四国化工機の豆腐生産工場スマートファクトリー化に向けAI導入支援