四国化工機は、凸版印刷株式会社と共同で世界最高速の紙製飲料缶の無菌(アセプティック)液体充填機「LC-10」を開発しました。
今回開発された新型充填機LC-10は、直列式構造で従来機の3倍、21,600本/hの高能力を誇ります。これまでドイツ製の7,200本/hの充填機しかなく、凸版印刷は高速機開発のパートナーに、無菌充填機では定評のある四国化工機を選んだのです。
完成した同機には、滅菌機構に定評ある3S滅菌システムを採用。窒素置換装置やCIP自動洗浄装置を搭載するなど、アセプティック性能の向上を図っています。また、シ-ル部、充填部、容器供給部などに最新の技術を採用した環境対応型の最新鋭充填機となっています。
紙製飲料缶は『カ-トカン』と呼ばれるもので、ホット販売(電子レンジ加熱対応)が容易で、しかもコーヒーや茶飲料で重視されるフレーバーを生かす無菌充填に対応できるなど、金属缶にくらべて優位性を持ちます。また、アルミを使わないので、省資源・省エネルギーかつリサイクル性に優れ、環境負荷が少ない容器として注目されています。現在、病院やスポーツ施設、学校など公共施設を中心に普及しつつありますが、日本の缶飲料販売チャンネルの約4割以上を占める自動販売機にそのまま利用できるので、今後普及が予想される期待の新容器です。清涼飲料メーカーがカートカン容器を順次採用することになれば新型機の需要も拡大が期待できます。
四国化工機は、今回の紙缶充填機の完成で、従来保有するプラスチック容器対応無菌充填機に加えて、紙容器の分野では、屋根型(ゲーブルトップ)紙容器・ブリックパック・カップ・紙缶と様々な形態に対応できる無菌充填機を持つことになったのです。